ベンチャー企業が創業からのサバイバル期間を乗り越え、ビジネスとしての成功パターンが確立してくると、次は成長にドライブをかけていくことになります。成功パターンを広げるための「増員」、増員に伴う「組織の拡大」、新たな成長のための「先行投資」、これらに伴う「資金調達」、そして大きくなっていく会社の「経営力強化」をしていくことになるでしょう。

ベンチャーの成長痛

しかし、この急成長のフェーズにおいて会社の内外で成長痛とも言える様々な問題が発生してきます。

  • 思うように採用できない
  • 管理職ができる人材が不足している
  • キャリア採用者が優遇されてベテラン社員の不満が蓄積
  • 意思決定に時間がかかる
  • ルールばかりが増えた
  • 架空売上がないか不安
  • コンプライアンスの徹底が不安
  • クライアントのクレームが増えてきた
  • 最近、社員の考えがわからない
  • 社長の考えが伝わらない
  • 会社の実態が見えにくくなった
  • 全体は儲かっているけど製品別の状況がつかめていない
  • 利益が落ちてきた
  • 新規出店しても利益が増えない

このような、組織・人材にまつわる問題、財務的な問題、経営管理の弱さに起因する問題などが、その成長スピードを遅くしているケースが驚くほど多いと言えます。そんな内向きな問題に頭を悩まされている間に、世界の競合相手はものすごいスピードで先に行ってしまうのです。

そこで沸き上がってくるのが、これらの成長痛を解決し、会社の成長にレバレッジをかけるために必要なリソース(人、もの、資金、情報)を確保・マネジメントしてくれる優秀なCFO待望論です。

CFO待望論と現実のギャップ

社長は言います。こんなCFOが欲しいと。

「営業・技術分野以外はすべてマネジメントして欲しい」
「社内の諸問題を各部門と協力して解決して欲しい」
「本当ならそんな問題が起きる前に回避して欲しい」
「数字に強い、できれば経理経験者が良い」
「ついでに人事分野にも強い人がありがたい」
「今後のグローバル展開を考えて英語ができて欲しい」
「社長の自分より若い方が何かとやりやすい」
「上場準備プロジェクトも当然やってくれないと」

しかし、現実は甘くありません。

やはりCFOのスキルと年収はある程度比例しています。

多くの社長が求めるCFO像は、ベンチャー企業の成長を経営幹部として経験し、その解決をしてきた人材です。専門分野を確立するだけでも最低5年以上は高いレベルの職場で経験を積み、その後、成長するベンチャー企業に移って専門分野以外もマネジメントした経験が必要と考えるでしょう。それも上場企業レベルでの経験を望む社長は多いと思います。そんな人材は各方面から引き合いも多く、年収も1,500万円を越えているケースがほとんどです。

一方で、会社の利益はしっかりと出始めたにせよ、苦しいサバイバル時期からの流れもあり既存幹部の年収はあまり高くありません。こういった背景から、CFO候補者に提示できる金額は期待を大きく下回るのが一般的です。

「仕事はお金じゃない」とは言いながらも、このギャップを埋めることは難しいと言わざるをえません。

顧問CFOという考え方

このベンチャー企業がCFOに求めるスキルと経済性のギャップを埋めるために「顧問CFO」と言う新しい概念が存在します。

外部からCFOを既存社員の頭越しに採用するのではなく、今はまだ課題があっても将来会社の成長に大きな貢献をする可能性のある「CFO候補」と「顧問CFO」の組合せにより、経営層の強化をするという考え方です。

顧問という形であれば、CFO候補のお給料とCFO顧問料を合算したとしても、経験の浅いCFOを妥協して採用する場合よりもコストを抑えることができます。

さらに、有能なCFOの全体最適の視点・経営視点により、知識や経験を活用して経営を強化しながらも、会社の急成長とともに将来のCFOを育てることも同時に行うことができます。

それぞれの強みを活か

社内の人員、外部の専門家、顧問CFOにはそれぞれの強み・弱みがあります。それぞれの特徴を十分理解して、活用・育成していくことにより、ベンチャー企業は急成長を成功させることができます。

いかがだったでしょうか。

ベンチャー企業だからこその悩み・成長痛を解決し、急成長を成功させるためには、新たな概念を積極的に取り入れてみるのもありかもしれませんね。