岡三証券からいただいた”IPO NEWS【1月号】”の「2013年新規上場企業ロックアップ導入状況」という記事が面白かったので引用させていただきます。

新規上場の際、VC等の大株主からの売り圧力を緩和する(=株価の安定)等の目的から、一定期間の売却に制限をかけるロックアップという制度があります。大きくは二種類あり、取引所の規制による「強制ロックアップ」と、株主と主幹事証券(といっても株主と協議するのは上場会社)の任意の契約による「任意ロックアップ」に分けられます。

特に「任意ロックアップ」は2013年の中で状況の変化が見られます。

1.ロックアップ期間の変化

従来は「強制ロックアップ」の制限期間と合わせて、「任意ロックアップ」も180日に設定することが多かったのですが、昨今は90日が主流になりつつあります。

2013年上場54社のうち、180日:15社、90日:39社と90日が全体の70%を占めます。

これを上半期と下半期に分けてロックアップ期間が180日と90日の社数を数えてみると、上半期は180日の方が多かったのですが、下半期には主流が90日に変化していることがわかります。

上半期 11社:9社
下半期  4社:30社

2.任意ロックアップの解除要件の変化

2013年度の新規上場54社の中で、ロック解除要件を45社(83%)が導入しており、その解除要件は以下の3つに集約されます。

  1. 初値形成後であること
  2. 価格要件
  3. 主幹事証券を通じて取引所における売却であること

まず、「初値形成後であること」という条件は、7月上場までのすべての会社が条件としていましたが、8/29上場のN・フィールド社(主幹事:野村證券)以降の29社のうち、この条件がついたのは7社しかありません。

また、「価格要件」についてもロック解除要件をつけた45社中、売却価格が初値比較1.5倍以上としているのが37社、2.0倍以上が8社となっています。

1.5倍以上としている37社はそのすべてがロックアップ期間を90日としているところも特徴的です。

まとめ

2013年はIPO市場が好調だったこともあり、大株主が株価が順調に上がれば売却できるように「ロックアップ期間の短縮化」と「価格要件の緩和」が大きな流れとしてあったと言えます。

初値との比較で株価が短期間で上がっていれば他株主からの不満も少なく、大株主の売り出し分を吸収できるとの判断もあるはずです。

元々、ロックアップ期間180日でも期間明けの売り圧力に対する懸念を持つ投資家も多く、VC等の売り出すことが前提の大株主がイグジットしないと投資をしないと考える投資家もいるくらいなので、ロックアップ期間の短縮化、株価アップによる売却を可能とすることで、上場後の株主の入替えを早期に行う方が結果的には良いのではないかと思います。

もちろん、これが成立するのはIPOマーケットが順調であることが前提となることは言うまでもありません。